現在の家政学は、「科学」としての側面を非常に大事にするため、目の前で起こっていることの現象や生活全般の事象に対して、根拠やメカニズムを理解しなければいけません。例えば、みなさんも生活の知恵として知っている調味料を入れる順番「さしすせそ」というのがありますが、家政学を学んでいなければこれはただの「暗記」になり、調味料を入れる順番以外には応用することができません。家政学視点で、なぜその順番が正しいのかを、科学的に学べば、生活の別の場面でもその理論を応用し、活かしていくことができるわけです。アイロンのかけかたもそうです。漠然とどの部分のどの方向からかける、とだけ覚えるのでなく、そのかけかたが正しい理由は、生地の目がどちらを向いているか…といった科学的根拠をもとに考えると、被服のなりたちや、風合いの意味まで分かってくることになります。家政学とは、このように、生活の中の行動の根拠になっていることを理解し、改善したり応用したりしていく学問なのです。義務教育過程で学ぶ数学や物理などの理工系学問が、えてしておもしろくないのは、そこに実践が見えないからだと、よく思ったものでした。それに比べて、家政学はそのものが実践であり、生活の中での応用と言えるわけですね。すばらしき実践学問、家政学。ちょっと興味を持っていただけたでしょうか?